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2010年2月27日 (土)

性同一性障害の女子「受け入れて」願い深く

性同一性障害の女子「受け入れて」願い深く

理解や支援不可欠

 県内の性同一性障害に悩む中学1年の女子生徒(13)が、4月から男子学生服を着用して登校できることになった。女性から男性として学園生活を送ることは、生徒だけでなく、家族にとっても大きな決断だった。

 昨年6月、母親(41)は、娘から「ほかの人と何かが違う。僕は変なのかなあ」と打ち明けられた。さらに「好きな人ができた」と切り出され、口にしたのは、女の子の名前だった。動揺した母親は自分に言い聞かせるように、「大丈夫だよ、大丈夫」と娘に声をかけていた。

 小さい頃から男の子の服装を好み、アニメのヒーローになりきる様子は、明らかに2人の姉とは違っていた。

 「もっとしっかり、娘のことを知りたい」。母はインターネットなどで、性同一性障害のことを調べた。そして、翌7月、ブログを通じて知り合った性同一性障害の人に頼み、娘に会ってもらった。

 「好きな女の子がいるけど、どうやってつきあったらいいの」。娘はせきを切ったように悩みを質問し始めた。相手は女性と交際していると話し、胸の手術跡を見せてくれた。

 「お母さん、僕、初めて同じ人に出会えた」。その時、娘が抱えていた孤独の深さを思い知ったという。

 これまで「セーラー服を着ると、吐き気がする」と訴えていた娘は、これを機に、周囲に自分の悩みを打ち明けるようになった。

 理解されないこともあったが、「悩んでないで相談しろよ」と、好意的に受け止めてくれる友人もいた。「背中の重荷が取れて、なんだか息がしやすくなった」と、笑顔で学校から帰ってくるようになった。

 クラスで一人だけ体操服で登校するようになって約半年。4月からは、晴れて学生服で登校できるようになる。先日、家族で学生服を買いに出かけた際、娘は、ずらりと並ぶ学生服を前に、「これだよ、これ。僕には」とはしゃいだ。

 両親は「娘の判断は間違っていないと思っている。みんなに受け入れてもらって、まっすぐに育ってほしい」と話している。

【解説】

 性同一性障害(GID)の児童、生徒に学校がどう向き合うのか。多感な時期だけに、学校の理解やサポートが必要不可欠だ。

 岡山大大学院の中塚幹也教授(保健学)らは2006年、過去10年間に同大のジェンダークリニックを受診したGIDに悩む661人を対象に、問題行動の発生率を調査したところ、不登校が24・4%、自殺を考えた人が68・7%、自傷・自殺未遂は20・6%に上った。問題行動は、2次性徴が始まる中学時代に時期が集中していた。

 はりまメンタルクリニック(東京都)の針間克己院長は、「教諭がきちんと理解し、子どもたちに教えることが大切」と話す。性に違和感を感じていた男子生徒に「男らしくしろ」などと教諭が頭ごなしにしかったことが、いじめにつながったケースもあるという。

 誰にも打ち明られず、心と体の不一致に悩む子どもたちがどれぐらいるのかは未知数だ。文部科学省も、まだ対応指針は定めていないのが実情だ。

 生徒の通う学校では養護教諭を中心に、定期的な勉強会を開くなど、支援に向けての活動を始めている。2月中旬、生徒の母は保護者会で、今回の決定を報告し、理解と協力を求めた。すべてが手探りの中だが、女子中学生が学生服での登校を認められたことをきっかけに、GIDを個性として受け入れる社会に向かうことを期待したい。(中西瑛)

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【性同一性障害】 世界保健機関(WHO)で認める医学的疾患で、健全な身体でありながら、持続的な自分の性の違和感と異性への一体感を持つ。国内には1万~3万人いるとされ、原因は不明。通常、男性よりも女性の方が自覚症状が早く、物心ついた頃から自分の性別に違和感を感じる人が多い。

(読売新聞)

「やっと本来の自分」性同一性障害の子に春

 鹿児島市内の公立中学校が性同一性障害と診断された女子生徒(13)に対し、4月から男子制服で登校することを認めた。「やっと本来の自分に戻れる」。生徒はそう喜んでいるという。

 母親(41)によると、生徒は小学校に入学後、女子制服を着て登校しても帰りにはランドセルに詰め込み、体操服姿で帰宅することが多かった。中学校入学後、生徒はがまんの限界を超え、「もう嫌だ」と泣いて暴れた。「この子をもっと分かってあげないといけないと思った」と母親は振り返る。

 昨年7月に男子制服で通学させてもらえるよう学校に頼んだという。それを聞いた校長(59)は「びっくりした」。前例がほとんどない話。さらに、教職員に性同一性障害に対する知識がほとんどなかった。「1人の生徒を守るのは大事だが、他の生徒の気持ちも大事」。すぐには判断できないと両親に伝えた。

 相談を受けてから市教委を通じて同様の生徒がいる学校から情報をもらったり、対応策をスクールカウンセラーを交えて話し合ったりして教諭みんなで学習した。

 2月20日、専門医は「(生徒は)女性として学校生活を送ることの苦痛がある。男子制服を着用することが、学校生活の適応のために必要だと判断する」と性同一性障害と診断した。それを機に、学校は生徒に男子制服での通学を認め、本名ではなく男性としての俗名を男子名簿に載せることを決めた。校長は「診断書には重みがある。学校外から批判が来るかもしれないが、子どもを守るために決断した」と語った。

 生徒は体育などの際の着替えは別室で行い、職員用の女子トイレを使えるように調整中だという。

 母親によると、生徒は「今まで女装せざるを得なかった。やっと解放される。本来の姿に戻れる」と喜んでいるという。母親は「学校には本当に感謝している。性同一性障害に関する相談態勢の確立など行政はできることはしてほしい」と話した。

(朝日)

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